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ドライアイの治療について

[2024.01.09]

ドライアイの原因、80%以上はマイボーム腺機能異常!

 

ドライアイの定義は、『様々な要因により涙液層の安定性が低下する疾患であり、眼不快感や視機能異常を生じ、眼表面の障害を伴うことがある』となっております。

最近ではこのドライアイ患者さんの80%以上はマイボーム腺機能異常が原因であるとわかっています。では、マイボーム腺機能異常とは何でしょうか。

 

マイボーム腺機能異常とは

涙は油層、水層、ムチン層から成っております。

涙の表面には一層の薄い油がのっており、水分の蒸発を防ぎますが、その油はまぶたの中にあるマイボーム腺から分泌されます。

このマイボーム腺の働きがなんらかの原因で低下してしまう病気を、マイボーム腺機能不全(Meibomian Gland Dysfunction, MGD)といい、マイボーム腺が減少する場合があります。マイボーム腺の機能が低下し、油の分泌がすくなくなり、涙が蒸発しやすくなり、ドライアイの症状である種々の眼不快感が起こります

 正常なマイボーム腺の目                                                                                  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     マイボーム腺が減少した目

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今までのドライアイの治療

いままでのドライアイの治療は涙を補充するような点眼薬や涙の通り道をふさいでしまう涙点プラグなどがメインでした。点眼薬で言うとヒアレイン、ジクアス、ムコスタなどの点眼薬は有名です。しかし先ほどドライアイの80%はマイボーム腺機能異常が原因と言ったように、油の分泌が悪くなり、涙の質の問題で眼不快感をおこしている場合が多いため、先ほどの点眼薬を使用してもだめな場合は、マイボーム腺機能異常の治療を勧めることとなります

マイボーム腺機能異常の治療

マイボーム腺機能異常の治療は、家庭でできる温罨法、眼瞼清拭と病院で行う薬による治療(アジマイシン点眼など)、マイバム圧出などがあります。

 

  • 温罨法はまぶたをあたためて、瞼の血流を改善します。温めた後に軽くまぶたをマッサージすることをお勧めします。

  • 眼瞼清拭はマイボーム線の油の排出を促し、マイボーム線周囲の細菌量を減らす効果があります。
  • 薬による治療としてはアジマイシン点眼があります。これは抗菌点眼ですが、抗炎症も同時にしてくれる優れた薬剤です。
  • マイバム圧出はまぶたを鑷子(せっし)ではさんで、古い油を強制的に圧出します。

マイボーム腺機能不全の新しい治療について

IPL(Intense Pulsed Light)は、皮膚科領域や美容形成の治療でもよく耳にされる方がいらっしゃるかもしれません。身体を温め炎症を取り除くために使用されている医療用の光治療機器です。

本来は血管性病変である酒さ治療でIPLが行われてきましたが、その患者のドライアイ症状が改善する報告が2003年にあり、その後ドライアイ患者を対象としたIPLの有用性が検証され、現在ではマイボーム腺機能不全を改善する新たな治療法として、IPL治療の効果が海外の学会等で次々と報告され注目を集めています。

IPLはマイボーム腺の近傍に照射することにより、マイボーム腺の閉塞やその周囲の感染、それらに伴う炎症を抑える事ができ、その結果、マイボーム腺の詰まり を解消し、ドライアイ症状を改善することが可能です。

当院でもマイボーム腺機能不全の治療としてルミナス社製のM22を用いたIPL 治療を導入しました。自費診療になりますが興味のある方はスタッフまでお声掛けください。

 

 

 

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