近視の治療について
近視について
大部分の近視は軸性近視といって、目の大きさが大きくなるタイプです。
正確にいうと、近視が進むにつれ、目の大きさ(=眼軸)が、後ろに伸びて長くなります。
大人で近視がない目は眼軸は23mmくらいで、丁度10円玉くらいです。
近視が進むにつれ眼軸は24mm、25mm、26mmと長くなります。
近視が一度進んでしまい、眼軸が伸びてしまうと元に戻すことはできません。
当院では小児でも眼軸が測れる器械を導入し、
一般的に比べてどうなのか、また眼軸伸長(近視進行)のスピードについてデータをとり、経過観察に役立てております.
近視の治療(矯正方法)
近視の治療は程度によって異なります
軽い近視で、不自由がなければ経過観察になります。
すこし近視が強くなってくると、当然メガネやコンタクトレンズが必要になってきます。
大人になってからはレーシックや眼内コンタクトという選択肢も出てきます。
すこし特殊な方法になりますが、オルソケラトロジーといって、夜にハードコンタクトレンズを装用して日中に裸眼でも見えるようにする治療もあります。
中等度くらいの近視なら、一般的にはメガネ・コンタクトを付ければよいのですが、
高度近視になると将来的には網膜剥離、緑内障、近視性網脈絡膜萎縮を引き起こし、失明のリスクがあります。
そうならないように、小児の段階で近視の程度を極力抑える治療(近視抑制治療)が必要です。
近視抑制治療の大切な時期
眼軸は一度伸びると残念ながら短縮させる治療はありません。
眼軸が伸びる時期は身体の成長が著しい、小学校高学年から中学生と一致します。
なので、この時期は近視を抑制する上で重要です。
また、小学校低学年でも近視のお子さんがいて、この場合は要注意です。
すでにこの段階で近視があるなら、将来的には高度近視になりやすいからです。
具体的な近視抑制治療
・1日2時間以上の外遊び
・長時間の近見作業をやめる
・適切なメガネ、CL、特殊なメガネ、CL
・低濃度アトロピン
・オルソケラトロジー
以上のような治療がありますが
次回は最近注目を浴びている低濃度アトロピンについてお話したいと思います。