小児の近視がどんどん増えています
開院してから2か月半経過しました。その間に多くのお子様が近視のために受診されました。
学校検診で昨年はB判定、今年はC判定だったなどで受診し、適正な眼鏡を作る場合もあれば、案外と視力がでているのでまずは様子を見ましょうとなることもあります。
30~40年くらい前になりますが、自分が小学生の時は40人くらいのクラスに近視でメガネをかけている子供は数人でしたが、今はとんでもなく増えております。
外で遊ぶことが少なくなり、近くを見る機会が多くなったことが原因と考えられます。
コロナの影響もあり、自宅の中でスマホやタブレット端末の長時間の使用、漫画・ゲームなどもそうです。
また、今は小学生でもタブレットやPCで宿題をしたり、調べものをする時代です。
近視は遺伝的な要因と、環境的な要因があると言われておりますが
今の日本にいれば近視になる子供の低年齢化や増加はしょうがないことだと言えます。
(環境的な要因が強い!!!)
統計的な話
実際にどれだけ増えているかですが、視力1.0未満の小学生は 1978年では16%、2019年では35%と倍以上になっています。
中学生では 1978年では33%、2019年では58%とこちらも倍近くなっています。
近視が強くなると
中学生で軽い近視の場合はそんなに心配はしなくてよいですが、
低年齢(例えば小学校低学年)での近視は、将来的には高度近視になることが予想されます。
高度近視になれば、その先には網膜剥離のリスクが高くなったり、緑内障になるリスクが高くなったり
視力に影響を及ぼす近視性網脈絡膜萎縮になるリスクが高くなります。
つまり失明や高度視力障害のリスクが増えます。
近視人口が低年齢化し、高度近視が増加すれば、必然的に上記のような病気になる人も増えてきます。
高度近視になる人を増やさないように、近視を抑える対策・治療が大事です。
次回は近視の治療について話したいと思います。