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緑内障

緑内障とは、一言でいうと視神経の病気です。眼圧が高かったり、視神経の構造が弱かったりで、視神経障害が起こり、病気が進行すると視野が狭くなっていきます。しかし目は両眼あるので片方の障害をもう片方がカバーするため、視野障害や視力障害などの自覚症状は現れにくいです。気づいた時には、もうかなり進行しているということも多くありますので、早期に診断を受けることが重要な病気です。

 

 

 

緑内障の病型について

緑内障の病型は①原発緑内障、②続発緑内障、③小児緑内障の3つに分類されます

①の原発緑内障は、眼圧上昇の原因を他の疾患に求めることのできないもので明らかな原因はありません。この中に開放隅角緑内障正常眼圧緑内障閉塞隅角緑内障があります。

②の続発性緑内障は、他の眼疾患,全身疾患あるいは薬物使用が原因となって眼圧上昇が生じるものです

③の小児緑内障は、胎生期の隅角発育異常や他の疾患・要因により小児期に眼圧上昇を来すものです。

一般的で日本に人に多いタイプは開放隅角緑内障と正常眼圧緑内障です。このタイプは『超慢性的に進行する』のが特徴です。よって初期から中期至るまで特に自覚症状がなく、末期になってから視野症状や視力障害を自覚するようになります。末期の状態で発見されると、余力がない分、早期で発見された人よりも最終的に失明してしまう可能性は高くなります。

閉塞隅角緑内障のタイプは急に眼圧が40とか60(眼圧の正常値は10~21)になることがあります。急に眼圧が上昇した場合、自覚症状として頭痛、嘔気、嘔吐、眼痛、視力低下などを来たします。風邪薬、鎮痛剤、抗不安薬などの抗コリン作用のある薬が急性発作を誘発することがあるため、このタイプのものは内服薬に制限があります。

 

治療について

緑内障の治療の基本は、眼圧を下げることです。眼圧を下げると視野障害の進行がゆっくりすることが科学的に証明されております。しかし、ただやみくもに眼圧を下げることはしません。

病型別に治療の考え方やうやり方が違うので、まずは病型を分けることをします。そのうえで点眼薬での治療やレーザーによる手術、外科的な手術を検討します。

また一般的な緑内障は『超慢性的な病気』なので、治療初期においては検査を繰り返しして、データをしっかりと取ってから実際の治療である点眼薬を処方します。データをしっかりとることも治療のひとつと考えますが、必要であれば診断してから3-6か月の期間を要します。

~~開放隅角緑内障、正常眼圧緑内障の場合~~

一般的で日本人に最多の緑内障ですが、このタイプは『超慢性的に進行する』、つまり進行は早くないのが特徴です。なので、1か月や2か月で大きく変わることがないので、いきなり治療はしません。まずはしっかりとデータを取ることが大事です。眼圧に関しては日内変動(1日でも眼圧値は変わる)、季節変動(冬場の方が眼圧が高くでがち)などあります。また視野検査も主に中心付近を検査するもの、全体的に検査するものがあります。視野検査は1回の検査では通常はうまく検査ができないことが多いために、検査の再現性を確認するために複数回チェックします。つまり治療前のデータをしっかり把握する必要があります。

検査をしっかりした後に、そのデータをもとにどのくらい眼圧を下げるかを検討します。例えば視野障害の程度が強い場合は眼圧を下げる程度も強くしなければいけませんが、視野障害がかなり軽い場合は眼圧を下げる程度はそれほどしなくてもよいと考えます。どのくらい下げるか考えた後は、片眼トライアルをします。これは片眼のみに眼圧を下げる点眼を使用してもらい、その点眼薬がどれだけ効果があるか確認します。左右差が大きくでれば、効果大と考えます。点眼薬の種類は近年多くなり、患者さんにあった点眼が何かを探します。

点眼薬が決まったら、あとは定期検査になります。緑内障の患者さんは当院では落ち着いたら1~2か月毎に来院していただき、眼圧値をチェックします。また視野の検査は4~6か月毎に行い、データを取ります。かなり地道な治療・地道は通院も必要になりますが、変動がなくてもデータを取ることが大事です。もし視野障害の進行が早いと判断した場合は、治療を強化していきます。点眼薬は現在のところ5剤まで追加できます。

点眼薬を強化しても眼圧のコントロールが悪い、視野障害の進行速度が速いなどの場合は、追加の治療として、レーザー治療や手術を検討します。

 

~~閉塞隅角緑内障の場合~~

隅角が狭いタイプの緑内障でも治療は眼圧を下げることが基本です。それと並行して、隅角が徐々に閉じて眼圧が徐々に上昇しないように、または完全に閉じて急激な眼圧上昇をきたさないように、治療しなければなりません。その治療のひとつはレーザーで虹彩に小穴を開ける治療です。もう一つは白内障手術となります。白内障手術をすると狭かった隅角が広がるので、急性の発作はほぼ起こらなくなります。

 

緑内障の手術について

点眼治療で眼圧のコントロールが不良(目標眼圧より高いのが続く)場合や、治療をしても視野障害の進行が早い場合は、さらに眼圧を下げるべく手術が必要となります

 

 

 

 

一度失った視野を取り戻すことができない病気ですので、緑内障と診断された場合は、定期的に眼圧検査・眼底検査・視野検査などをしっかり行うことをお勧めします。また緑内障は年齢が高くなるほど有病率が上がりますので、40歳以降は眼底検査を1年に1回くらいは行い、緑内障かどうかをチェックすることをお勧めします。

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